言語聴覚士の受験資格を得るには、文部科学大臣指定の学校や、言語聴覚士養成所で3年以上経験を積む必要がある。
その中で合格率が70%前後なので決して簡単な試験では無い。
ここでは、「専門基礎分野」「専門分野」の分野別にて勉強法について述べる。
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言語聴覚士の勉強法
専門基礎分野(臨床医学、音声学、言語学…)
学校の授業で学ぶ科目ではあるが、専門分野に比し時間数も少なく、基礎・概要を学んだ程度である。
また、範囲も広く、国家試験に向けてまた一から教科書・テキストを広げるのは、専門分野を勉強するために必要な時間をロスしてしまうことになる。
それでは、どのように勉強したら良いのであろうか。一番効率が良いのは、過去問を利用することである。
第一回から問題を見ていくと、どの科目においても、概ね出題傾向はわかってくるのである。同じ問題で選択肢だけ異なるという場合もよく目にする。したがって、まずは、過去問を利用することで、復習を兼ねた出題傾向をつかむための勉強を行っていく。
そして、主格である専門分野に重点を置いて勉強していくなかで、時間が余れば、専門基礎分野についても掘り下げて勉強すれば良いのである。
専門分野
第一回から過去問で勉強をし、出題傾向が概ねわかったところで、教科書・テキストを利用しながら掘り下げて勉強していくことが大切である。
どの分野にも共通していえるのは、将来臨床で行う評価・訓練のために必要な知識と考えることである。
まず、評価を行うには、その病巣によって生じた障害により、どのような症状が出るのかを把握しなければならない。
代表的な障害、症状については、教科書・参考書を利用してしっかりと基礎固めをすることが大切である。試験の問題数は、評価>訓練である。
教科書・参考書の内容についてもそうだ。特に失語症、高次脳機能障害においては、脳の機能局在、症状は必ず出題されるし、臨床でもきちんと知識がないと仕事が出来ないのである。
また、比較的訓練法についての出題割合が高い分野は、摂食・嚥下障害である。失語症、高次脳機能障害の訓練に比し、患者への侵襲性が高いことからも、臨床でも必要な知識であると考えられる。
適応、方法、効果を覚えておかなければならないが、訓練法の種類は多く、授業や実習でも実際に行う経験は少ないため、なかなか覚えにくいかもしれない。
その場合は、一覧として表になっているものを参考にすると良い。また、摂食・嚥下障害の訓練法については、ある程度過去問で出題傾向が把握出来るので、活用をおすすめする。
テキストの紹介
「言語聴覚士国家試験過去問題3年間の解答と解説」は過去3年分の過去問が付属しているのでお勧めできる。
勉強時間(難易度)
言語聴覚士試験の合格率は、毎年60~70%程度だけど、受験者のほとんどがかなりの試験対策をしている者ばかりなので、合格率程簡単な試験ではない。
学校での勉強時間を除いても、1年での取得を目指すのであれば毎日1~2時間ほどの勉強時間は必要になるでしょう。
受験者数・合格率
年度 | 受験者数 | 合格率 |
---|---|---|
2018年 | 2367人 | 68.9% |
2017年 | 2531人 | 79.3% |
2016年 | 2571人 | 75.9% |
2015年 | 2553人 | 67.6% |
2014年 | 2406人 | 70.9% |
2013年 | 2401人 | 74.1% |
2012年 | 2381人 | 68.1% |
2011年 | 2263人 | 62.3% |
2010年 | 2374人 | 69.3% |
試験情報
- 資格種別:国家資格
- 資格区分:なし
- 受験資格:言語聴覚士養成所で3年以上の経験など
- 試験内容:筆記試験(択一式・100問)
- 合格基準:200点満点中120点以上
- 試験日:2月中旬
- 試験場所:北海道、東京都、愛知県、大阪府、広島県、福岡県
- 問い合わせ先:医療研修推進財団 -PMET-