まず教科書として必ず手元になければならないのが、小倉義光著の「一般気象学」です。
グラフや図の問題はほとんどこの本のものが使われているか、それに近いものなので要確認です。
また、数式の導き方も自分でノートに書き出して、計算してみてください。熱力学や力学の基礎知識をしっかり固めておくことが大事です。
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気象予報士の勉強法
筆記・基礎知識試験
最後の3問は気象業務法に関するものですが、こちらは暗記するのみです。
よく出る条文や正誤問題は過去問を解けば分かるので、自分で穴埋め問題を作ってみたり、音読するなりして覚えてください。暗記なので、試験2週間前からの勉強で十分でした。
筆記・専門知識試験について、こちらは教科書がありませんので、過去問をもとに知識をつけるしかありません。
ただ、気象観測の技術は進歩さしているので、過去問では正解でも現在では不正解、ということもあります。
そこで使うのが気象庁のホームページです。気象観測のルールや観測方法、予報用語についてなど細かくカテゴリー分けされて説明されています。
ここから必要な情報を抜き取り、自分専用教科書を作るのも良いでしょう。
どちらの筆記試験にも共通するのは、やはり過去問を徹底的にやり込んでください。ただ点数をつけるだけでなく正誤問題の選択肢に書かれていることをすべて検証し、理解すれば筆記試験の合格は近いです。
実技試験
実技試験では、こちらは天気図をいかに早く正確に読み取り、予測できるかと、記述式の設問でいかに出題者の意図を汲み取って制限字数でまとめられるかがカギです。
やはり過去問を繰り返して解いて問題に慣れていくことになります。
過去問は解くことはもちろんですが、設問になくてもその天気図の時は上層はどうなっているのか、強風軸やトラフ、渦度極大値の位置・移動についてなど、色鉛筆を使って色分けし天気の予測の流れをつかむことが重要です。
また、状態曲線を使ったり書かせたりする問題もよく出るので焦らず丁寧に数字を読み取り、計算してください。
前線の作図は過去問の天気図を参考に、繰り返し書いて慣れてください。
あとは、地名や地方・海域の名称などは知っていて当たり前という感じで出てきますので、日本周辺だけでなく、中国の地方の名前や海域・川の名前や場所を緯度・経度と照らし合わせながら覚えておくと良いです。
筆記は悩みながら解くと時間が全く足らなくなります。この天気図のときはこうなる、というおおまかな天気の流れをつかんでいることが大事です。
テキストの紹介
小倉義光著の「一般気象学」は、試験でネックになる科学や物理の知識も分かりやすく解説しているので、これから初めて試験に挑む方にもお勧めです。
受験者数・合格率
時期 | 受験者数 | 合格率 |
---|---|---|
2019年1月 | 2,857人 | 4.7% |
2018年8月 | 2,915人 | 5.4% |
2018年1月 | 2,788人 | 5.8% |
2017年8月 | 2,962人 | 4.9% |
2017年1月 | 2,795人 | 4.9% |
難易度(勉強時間)
私が合格した回の合格率は4.6%でした。
4回受験して、2回目に筆記基礎知識、3回目に専門知識、4回目に実技試験が合格となりました。
筆記の基礎知識と専門知識は合格点に達していればその後1年間受験免除になるので、実技試験の勉強に集中できます。
勉強期間は約2年ほど、通勤時間を利用したり、夜時間をとるなどして1日1〜3時間ほど勉強しました。
学生時代理系だったので、数式に慣れており、勉強には取り組みやすかったです。
合格基準
- 学科試験(一般知識):15問中11問以上正解
- 学科試験(専門知識):15問中11問以上正解
- 実技試験:総得点が満点の70%以上
※年度により合格基準が異なることもある
試験情報
- 資格種別:国家資格
- 資格区分:なし
- 受験資格:なし
- 試験内容:学科試験(多肢選択式)と実技試験
- 試験日:8月下旬、 1月下旬
- 試験場所:北海道、宮城県、東京都、大阪府、福岡県、沖縄県
- 問い合わせ先一般財団法人 気象業務支援センター