宅建士試験は国家資格でありながら受験資格が無いので、これから不動産業界や法律業界で活躍したい方には打ってつけの資格の一つと言えるでしょう。
ただ、勉強してもらえばすぐにお分かりいただけますが、法律に疎い方が独学で簡単に合格できる程簡単な試験ではありません。
宅建士試験の合格率は毎年15%~17%辺りを推移しており、本気で合格を目指そうと思えば、予備校や通信講座を受講しながら合格を目指すのが一般的です。
ここでは、宅建士試験の通信講座を実施している通信講座「ヒューマンアカデミー(たのまな)」「フォーサイト」「クレアール」「ユーキャン」「KIYOラーニング」の5つの講座を比較してみましたので、通信講座を検討している方は参考にしてみて下さい。
2020年1月16日時点の情報
通信講座の比較
受講費用(税込)
ヒューマンアカデミー | 70,632円 |
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フォーサイト | 59,180円 ※バリューセット1 2020年試験対策(基礎+過去問講座) |
クレアール | 40,066円 ※2020年合格目標 完全合格パーフェクトコース |
ユーキャン | 63,000円 |
KIYOラーニング | 20,350円 |
最も一般的なコースの受講料で比較しています。
断トツでKIYOラーニングが安いですが、その理由は合格に関係のないことにかかっている運営コストを極限までカットしているからです。ITを活用し、革新的な運営システムを確立したことで、運営コストを大幅に削減し、この低価格を実現しました。
また、冊子テキストをなくし、Webテキストのみであることも低価格の要因です。
フォーサイトとクレアールはキャンペーン価格適用後の価格になります。
講座の主な内容
ヒューマンアカデミー | テキストとe-ラーニング(オンライン学習)で受講 |
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フォーサイト | 基礎講座や過去問講座でそれぞれテキスト・DVDで受講 |
クレアール | 短期間で合格を目指すVラーニングシステムの導入 |
ユーキャン | テキストとWEBテストで受講 |
KIYOラーニング | WEBテキストで受講 |
基本的にはテキストを用いて勉強するスタイルになります。
各講座の特徴として、ヒューマンアカデミーとクレアールはオンライン学習、フォーサイトはDVD学習、ユーキャンはWEBテストを実施してその結果から弱点を分析して対策することができます。
KIYOラーニングは、先ほども言いましたが基本的には冊子のテキストはなくWEBテキストのみになります。テキストに直接書き込みをしたり、紙で勉強をする方が好きな方には、オプションとして冊子テキストを購入することができます。
合格保証制度
ヒューマンアカデミー | あり |
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フォーサイト | なし |
クレアール | なし |
ユーキャン | なし |
KIYOラーニング | なし |
ヒューマンアカデミー(たのまな)のみ合格保証制度がありますが、受講料が返金される訳ではなく、翌年の同コースの受講が可能になる制度なので注意して下さい。
制度が適用されるには一定の条件がありますので、こちらも合わせてご注意ください。
ちなみに、制度適用条件は
- 申込みコースの受講が90%以上の場合
- コースの対象目標年の本試験を受験したが、不合格になった場合
となっています。
また、無料対象となるのは、講義動画と問題演習機能部分となり、テキストは含まれません。
標準学習期間
ヒューマンアカデミー | 210日 |
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フォーサイト | 6ヵ月 |
クレアール | 受講する年度の試験日まで |
ユーキャン | 6ヵ月 |
KIYOラーニング | 受講する年度の10月31日まで |
学習期間は概ね6ヵ月程度で設定されています。
ユーキャンでは受講開始から試験まで6か月未満の場合に限り、次年度の試験までサポートを受けることが可能です。
添削回数
ヒューマンアカデミー | 2回 |
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フォーサイト | 回数は不明だが確認テストの添削はあり |
クレアール | 4回(完全合格パーフェクトコース) |
ユーキャン | 7回(模試試験1回を含む) |
KIYOラーニング | – |
添削回数が一番多いのがユーキャンです。
ただ、宅建士は択一式になり、これといって添削してもらうメリットは感じられないのでさほど気にする項目では無いでしょう。
質問
ヒューマンアカデミー | 郵送かメール |
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フォーサイト | メール(5~20回)※口座によっ上限あり |
クレアール | メール |
ユーキャン | 郵送かメール(質問回数に制限を設ける場合もあり) |
KIYOラーニング | なし |
メールで何回も気楽に質問できる「ヒューマンアカデミー(たのまな)」と「ユーキャン」に軍配が上がります。
フォーサイトは講座によって質問回数に上限があります。一般的な講座では20回まで、単体の講座では5回と限定されています。
ちなみに、回数上限を超えた質問は1回につき500円かかります。
実績
ヒューマンアカデミー | – |
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フォーサイト | 合格率は71.5%(2019年度) |
クレアール | – |
ユーキャン | 1,164人の合格者を輩出(2017年度) |
KIYOラーニング | – |
実績を打ち出しているのは「フォーサイト」と「ユーキャン」の2講座のみです。
2018年度の合格率が15.6%に対し、フォーサイトの合格率は70.8%と、驚異の合格率です。
但し、「弊社標準学習期間以上、学習した受講生」と明記されており、受講者全員のデータではないので注意が必要です。
ユーキャンについてはあくまで合格者の数なので、受験者数を出してもらわないと実績としては乏しいですね。ちなみに、2015年度試験の合格者がおよそ3.3万人なので、その中のおよそ4%がユーキャンの受講者ということになります。
通信講座の紹介
ヒューマンアカデミー(たのまな)の紹介
- 宅地試験対策講座(2019年目標):70,632円
ヒューマンアカデミー(たのまな)では、面白い講義で有名な「大澤茂雄」さんがオンライン講座の講師をしているのが大きな特徴です。
私も少し聞いてみましたが、難しい用語が並ぶ宅建士も分かりやすくかみ砕いていて始めて勉強される方にお勧めだと感じました。
教材
- 受講の手引き
- スタートアップガイド
- 受講登録のお知らせ
- eラーニングシステムID・パスワードのご案内
- テキスト:3冊(基本テキスト、テーマ別問題集、年度別過去問集)
- 模擬試験:オンラインでの受験
- eラーニング受講ガイド
- テキストのみの受講で不安でしたが、テキストの内容は豊富で分かりやすいのでカリキュラム通り進めていけば他のテキストを利用しなくても合格できるレベルまでいけます。
- DVD講座が自分にとても合っていた。テキストだけでは理解できない部分もDVDで学習することで理解が深まり、知識が定着した。空き時間にスマホで勉強できる点も効率が良い。
- 直前対策として、こちらの講義を受講しました。本試験において、捨てて良い問題かどうかの判断などの、本当に本試験で必要なポイントを学べたので大変役に立ちました。本試験と同じ時間で過去問の演習を行えましたので、本番は落ち着いて受験することができました。
公式サイト先
フォーサイトの紹介
- 単科講座 基礎講座 2020年試験対策合格コース:47,080円
- 単科講座 過去問講座 2020年試験対策合格コース:47,080円
- 直前対策講座 2020年試験対策:各10,780円(2編同時で16,280円)
- バリューセット1 2020年試験対策(基礎+過去問講座):59,180円
- バリューセット2 2020年試験対策(基礎+過去問+直前対策講座):67,980円
※キャンペーン価格適用後
フォーサイトではコースが細分化されていますが、基礎講座をベースにして、そこに過去問や直前対策講座をつけるかで費用が変わってきます。
どの講座にするのか悩まれると思いますが、基本的に過去問は付けておきたいので、費用と照らし合わせて⑤が最も理想的なのかなと思います。
また「全額返金保証」制度がありますので、もし不合格だった場合に受講料を返金してもらうことも可能です。但し条件などがありますので詳しくは「フォーサイトの公式サイト」からご覧ください。
教材
【基礎講座】
- 受講ガイド
- 戦略立案編&メディア
- 合格必勝編&メディア
- テキスト:5冊
- 講義DVD:8枚
- 合格カード
- 統計資料・法改正情報等
- eラーニング 道場破リ®
- 確認テスト(道場破り®内)
- 宅建マンガ
- 合格体験記
- 無料メール質問:5回
【過去問講座】
- 受講ガイド
- 戦略立案編&メディア
- 合格必勝編&メディア
- 過去問題集:5冊
- 過去問講座DVD:5枚
- 再現問題
- 合格カード
- 模擬試験:1回分
- 統計資料・法改正情報等
- eラーニング 道場破リ®
- 演習ノート
- 宅建マンガ
- 合格体験記
- 無料メール質問 5回
テキストは十分過ぎるぐらい揃っているので、この他に市販のテキストを購入する必要は全くありません。
- 仕事をしている身なので独学では厳しいと思いフォーサイトの通信講座を受講しました。僕は過去問がセットになったDVDのものを選択しましたが、テキストは非常に見やすく副教材も豊富なので値段は少し高いですが、本気で合格するならフォーサイトをおすすめします。
- 同僚がこちらの講座をすすめてくれたので受講しました。仕事をしながらだったので、タブレットで学習をすすめられるのは助かりました。テキストはフルカラーで見やすく、講師の講座もとてもわかりやすかったです。
- ほとんど知識がないところからのスタートでしたので、基礎知識と過去問は必須であり、さらに試験直前対策があったので安心して受講することができました。一発で合格をしたかったので、直前対策はラストスパートに非常に役立ちました。
公式サイト先
クレアールの紹介
- 2020年合格目標 完全合格パーフェクトコース:40,066円
- 2020・2021年合格目標 完全合格パーフェクトセーフティコース:47,972円
- 2020年合格目標 完全合格サクセスコース:30,150円
- 2020年合格目標 直前パック:9,800円
- 2020年合格目標 基本講座:52,800円
- 2020年合格目標 実力アップ演習講座:21,600円
その他にもあります。(気になる方は公式サイトでご確認下さい)
※キャンペーン価格適用後
クレアールはコースの数が多いので、自分も目的に合ったコースをピンポイントで受講することができるのが大きな特徴です。
- 独学で受験しましたが不合格だったので受講しました。私はパーフェクトコースを受講しましたが、基礎の基礎からしっかり学ぶことができ分かりやすかったです。半年間の受講で合格することができたので感謝しています。
公式サイト先
ユーキャンの紹介
- 宅地建物取引士講座:63,000円
通信講座の受講を考えた場合、真っ先にユーキャンを思い浮かべる方も多いと思います。実際に2015年度試験ではユーキャン受講者から1,505人の合格者を輩出しています。
ユーキャンの宅地建物取引士講座の大きな特徴としては、「合格デジタルサポート」と呼ばれるスマホやPCを利用してWEBテストを実施して、テスト結果から弱点を見つけて補正していくという学習法を確立しているという点です。
教材
- 基礎テキスト:3冊
- 過去問実践テキスト:3冊
- 入門ブック
- 添削課題集など
ユーキャンの通信講座を受講してまず驚くのがテキストの薄さです。
正直、こんなペラペラのテキストで勉強して合格できるのか?と思われるかもしれませんが、ユーキャンでは短期間で効率よく勉強できるカリキュラムが組まれているので問題ありません。
と言っても、個人的には分厚いテキストの方が安心できますがね・・・テキストは図解を豊富に使っていて見やすいし、勉強嫌いの方にはお勧めできます。
- 通信講座を決める際、いくつか取り寄せましたが、こちらのテキストが一番わかりやすく、自分に合っていると感じました。デジタルサポートパックでは、課題管理や弱点対策ができましたし、すき間時間で勉強をすることができてとても助かりました。
- 正直、ユーキャンだけでは足りませんでした。
公式サイト先
KIYOラーニングの紹介
- 宅建士合格コース:20,350円
- 冊子版オプション:6,980円
- 宅建士合格コース:4,980円
KIYOラーニングは上記の4講座とは少し性質が異なります。
通勤講座とも呼ばれている本講座は、スキマ時間を使ってムリなく勉強できる教材・カリキュラムになっています。
冊子のテキストがありませんので、他の講座に比べると圧倒的に料金が安いです。(オプションとして冊子を付けることも可能)
宅建士合格コースは、以前、宅建士合格コースを購入した方を対象にしています。5,000円以下で最新の講座を購入することができますのでお得ですね。
添削や質問といったサービスは全くありませんが、すき間時間で効率よく勉強ができること、講師の説明がわかりやすく印象的であることが評判です。
教材
- ビデオ/音声講座:標準版・1.5倍速版・2倍速版
- WEBテキスト
文字を書いて勉強するスタイルではなく、通勤や通学中に音声や動画で見ながら勉強していくことになります。
テキストはオンライン提供になりますので、基本的に冊子はありません。
- 時間があるときにビデオ講座を見ることができるので、効率的な勉強ができた。竹原講師の講座もわかりやすかった。合格するためのテクニックなども盛り込まれていて役立った。
- 講義の後の過去問題がゲーム感覚でできるところが良かったです。他には、合格するために、必要最小限に絞られたコンテンツも良かったです。ビデオ講座は倍速で見ることができたので、苦手分野を集中的に何度も見て勉強をしました。
公式サイト先
結局どの講座が良いの?
- 分かりやすさで選ぶなら「ヒューマンアカデミー」
- 実績で選ぶなら「フォーサイト」
- テキストの豊富さで選ぶなら「フォーサイト」
- 勉強嫌いな方は「ユーキャン」
- ピンポイントで学習したいなら「クレアール」
- 副教材として活用するなら「KIYOラーニング」
個人的にお勧めなのが「ヒューマンアカデミー」です。
ヒューマンアカデミーはテキストの内容は分かりやすいと好評だし、過去問を分析した対策問題が収録されているので、基本的にこのテキストがあれば十分合格を目指すことができます。
独学勉強法
通信講座を利用して取得を目指す場合でも、本気で合格を目指すのであれば通信講座で付属している教材だけではなく、テキストを購入するなりしてある程度は自分で試験対策を立てる必要があります。
独学での勉強法は「宅建士(宅地建物取引士)の独学勉強法【テキスト紹介・勉強時間など】」を参照して下さい。