「ネットワークスペシャリスト」は、情報処理推進機構(IPA)が主催する情報処理技術者試験という国家試験の一つ。
ITパスポートなどメジャーな試験と同様に、選択式である午前試験と筆記式である午後試験で、それぞれ対策が必要です。
さらに午前試験は午前1「高度共通」と、午前2「ネットワークスペシャリスト個別」の問題に分かれるので、それぞれ別の対策が必要になるでしょう。
したがってテキストを選ぶ際には、午前1問題を主眼に置いたテキスト、午前2問題と、午後問題を、それぞれ主眼に置いたテキストの、3つを考慮することがポイントとなります。
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ネットワークスペシャリストのお勧めテキスト
情報処理教科書 高度試験午前Ⅰ・Ⅱ
まず午前1試験対策は、「情報処理教科書 高度試験午前Ⅰ・Ⅱ」がおすすめです。一問一答形式なので、非常にとっつきやすく、読み進めやすいテキストです。
ただし高度共通試験は情報処理に関する広く浅い知識を求める試験です。解説もそこまでつっこんだ内容になっているわけではないため、腑に落ちない部分があっても、ある一定のレベルで納得する割り切りが必要でしょう。
ネットワークスペシャリスト合格教本
次に午前2対策は「ネットワークスペシャリスト 合格教本」がおすすめです。ネットワークに関する知識範囲をうまく体系立でているテキスト。
広い知識範囲を網羅的に解説しているため、午前2試験対策に向いています。基礎的な解説から入っているため、応用情報をとばして、基本情報処理技術者がネットワークスペシャリストにチャレンジする際などに最適です。
一方、午後問題対策のテキストとしてみると少し物足りない部分があります。午後は、少し深い知識や応用力を問われるため、別のテキストによる対策が求められるでしょう。
情報処理教科書 ネットワークスペシャリスト
最後に午後試験対策は「情報処理教科書 ネットワークスペシャリスト」がおすすめです。午後問題を主眼に置いたテキストです。
午前対策のテキストと重複する内容が多いのも事実ですが、基本的な単語・用語に関する解説は省かれており、あくまで午前試験を突破できる基礎知識がある技術者向けのテキストとなっています。
実際、ネットワークスペシャリストの午後試験は「A社とB社は○○回線で常時接続されており、△△回線によりバックアップされている」といった極めて現実的な事例を挙げ、その問題点や解決策を問う形式になっています。
これらを解くには、実装を含めたシステム構成を頭に思い描けること、過去の事例からその構成で考慮すべき事項が思い浮かぶことが必要です。そんな観点で解説しているテキストのため、用語解説などは他書に譲っているのだと推察します。最初にこの一冊だけを読み進めると、挫折しやすいので注意が必要です。
基本的には、これら3冊がおすすめのテキストであるといえます。
ちなみに、これらの3冊、ネットワークの専門書なみに厚みがあるのが玉にキズです。通勤・通学や試験会場に持参するテキストとしては、なかなか携帯性に優れない重厚な書籍。
携帯用に「ポケットスタディ ネットワークスペシャリスト」です。要点を絞ってコンパクトに纏まっているため、ふとしたときに開くテキストとして重宝します。一つ一つの解説は自宅に帰ってから。そんな勉強法によいでしょう。
過去問の選び方
つづいて問題集についても検討が必要です。ネットワークスペシャリスト試験は、基本的に過去問による対策が有効と言われます。
こなしただけ、点数が上がります。ネットワークの世界は進歩が早いと世間で言われますが、この試験に限れば、最新技術に関する設問が頻繁に追加されることがないのも一因でしょう。
良くも悪くも国家資格です。問題の吟味には時間をかけていいると考えられます。また、民間の資格と違って特定の企業名や製品名が試験問題に登場しないため、製品の進歩に影響されない点も大きいです。
例えば「windows20xxサーバを採用した・・・」とか「CISCOのIOSコマンドは・・・」といった問題は出題されません。特定の企業の宣伝になってしまいますので。したがって過去問対策が、極めて重要なのです。
とはいえ、実は、試験を主催する「情報処理推進機構(IPA)の公式ホームページ」に、過去何年もの過去問題と回答が公開され、PDFでダウンロードできてしまいます。過去問の入手目的で書籍を購入する必要はありません。あくまで問題の解法や解説を目的として、過去問を選択するのがよいと考えます。
お勧めの過去問
徹底解説 ネットワークスペシャリスト 本試験問題
まず「徹底解説 ネットワークスペシャリスト 本試験問題」がおすすめです。出版社はアイテックという企業で、情報処理技術者試験対策を手がける企業の中では老舗中の老舗です。
考え方のポイントやコツをうまく解説しており、理解に役立ちます。まずは公式サイトでダウンロードした本試験の冊子を印刷し、実際にやってみて、解説をこの書籍に求めるというやり方が効率的です。
ネットワークスペシャリストの最も詳しい過去問解説
こちらもおすすめの一冊です。
左門さんという著者は、ネットワークや情報セキュリティの試験対策で有名なブログを運営されている方。ユーザ目線や受験者目線で技術的なことを解説してくれるため、とても理解しやすいです。
これらの過去問書籍を組み合わせて試験対策をされると、効率的な学習の一助となるのではないでしょうか。