理学療法士資格取得のためのテキストを選ぶポイント

理学療法士の資格を取得するためには国家試験に合格しなければなりませんが、国家試験の出題範囲は多岐にわたります。

そのため、少しでもテキストを購入する費用を抑えようとして、中には旧版のテキストを安く買ったり、すでに合格した人や知人から譲ってもらったりする人も見られます。

しかしそうするとテキストが古いため、自分自身が受験する国家試験と出題範囲や基準が違っていて、対策にならないことがあります。金銭的には痛い出費かもしれませんが、できる限り新版のテキストを揃えるようにしましょう。

お勧めのテキスト4選

国家試験のネタ本とも言える「基礎運動学」

理学療法士は動作分析、運動指導の専門家ですが、その要になる科目が運動学です。国家試験でも最も出題量が多いこの運動学において、知らない人はいないというくらい有名なテキストが、医歯薬出版から出されている基礎運動学です。

現在は第6版補訂が最新です。国家試験では骨格や筋肉のイラストが付された問題も出題されますが、この基礎運動学に収録されているイラストが使われることも多くあります。

また、タイトルに運動学とありますが、実は解剖学や生理学の内容も一部載っています。理学療法士の勉強をしている人でこの基礎運動学を使ったことがない人はおそらくいないと言っても過言ではないほどスタンダードなテキストです。

基礎運動学 第6版

圧倒的なビジュアルで支持を集める「プロメテウス」シリーズ

運動するときにどの筋肉がどう働くかなど、身体の構造を理解するためには解剖学の知識が必須です。解剖学のテキストで最も有名なのが医学書院から出版されているプロメテウスでしょう。

このテキストはシリーズとして出版されていて、総論の他、頭頸部や胸部・腹部・骨盤部などの局所別のものを含め、いくつか出版されています。

すべて揃えると本当に高額になってしまいますが、他の解剖学を圧倒する美しいビジュアルで、血管や神経の走行も立体的に把握できる優れたテキストです。どうしても1冊に絞る場合は総論を手元に置いておくと良いでしょう。

プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系 第3版

臨床に出てからも重宝する「標準生理学」

生理学は理学療法士を目指す学生が苦手にすることが多い科目の一つです。手始めに選ぶのであればイラストやマンガなどを多用している薄い本でも良いかもしれませんが、最終的には生理学は深い理解が必要です。

その時に携帯していると良いのが標準生理学です。プロメテウスと同じく医学書院から出版されています。

この標準生理学は医学生、つまり医師を目指している学生にもよく使われています。章ごとに専門化が分担して執筆しているため、分厚く、内容も高度ですが、臨床に出てからも使える1冊としてできれば用意しておきたいテキストです。

標準生理学 (Standard textbook)

膨大な数の疾患を効率良く勉強するなら「病気がみえる」シリーズ

運動学、解剖学、生理学はいわゆる基礎医学とも言われますが、国家試験ではそれ以外に、様々な疾患に関する知識が問われます。これらは、勉強しなければいけない量は多いのに、実際には少ししか出題されない科目の集まりになります。

ですので一つ一つを要領よく簡潔に詰め込んでいかなければいけないのですが、その時にお勧めなのがメディックメディアから出版されている「病気がみえる」シリーズです。

これは代謝疾患や呼吸器疾患、循環器疾患など、疾患群ごとに分冊となっているシリーズです。いずれも、とにかくイラストや図解が豊富で分かりやすいのが特徴です。

また各疾患について、危険因子や症状などが簡潔にまとめられたコーナーが冒頭に収録されています。詳しい解説はそれに続くページに記載されているので、時間がある時とない時で使い分けることが可能です。価格が手頃な点も学生には嬉しいところです。

病気がみえる vol.4 呼吸器

お勧めの過去問題集2選

設問を効率良く理解するなら「クエスチョンバンク」

国家試験は1問ごとに5つの選択肢がありますが、クエスチョンバンクはこの選択肢一つ一つに解説が付いているのが特徴です。

設問の正解を導くだけの解説だと、一つ一つの選択肢が異なる設問の選択肢と組み合わさって出題されると、とたんに正解が分からなくなってしまいます。クエスチョンバンクでは設問ごとではなく選択肢ごとに理解できる構成になっているので、そのような課題にも対応できます。

また「病気がみえる」と同じメディックメディアから出版されているので、イラストや図解が豊富だという特徴は踏襲されています。

クエスチョン・バンク 理学療法士・作業療法士国家試験問題解説 2018: 共通問題

設問を中心に周辺分野も理解するなら「必修ポイント」

必修ポイントは医歯薬出版から発行されている過去問題集です。

クエスチョンバンクとは対照的で選択肢一つ一つに対する解説はほとんどなく、解説の大部分が表形式でまとめられているので、文章を読んで理解していきたいという人にとっては、一見とっつきにくいかもしれません。

ですが、表でまとめられている内容を、すでにご紹介したようなテキストで調べれば、なぜそのような表でまとめられているのか、その表にいかに情報が凝縮されているのかがよく分かります。

表について調べているうちに、いつの間にかその表が自分で作ったもののように感じられて、設問の周辺分野も含めて自然に頭に入るようになっています。

PT/OT国家試験必修ポイント 専門基礎分野 臨床医学 2018

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