C言語プログラミングの実務能力を問うサーティファイ情報処理能力認定委員会主催の資格。
テキストを選ぶ際のポイントは、ずばり「実践的であること」です。C言語の入門書やプログラミングに関する書籍は、国内外問わず、数多く出版されているのはご存じの通りです。ところが、これらの書籍の多くは「プログラミングとは?」「コンパイルとは?」といった概論や理論的な部分から導入される参考書が大多数です。
IPAの情報処理技術者試験や学問としての情報理論であれば、こういった基礎が重要になります。ところが「C言語プログラミング検定」は、そうではありません。極めて実務的な試験。ANSI仕様のC言語コーディング規約に沿って、正しくソースコードを書けるかどうかが問われます。
過去問題を一目みていただければ分かると思いますが、一問目から変数の宣言文や命令文の書式を問う問題から入ります。正しい文法、正しい書式を理解している点がポイントですから、これらがきちっと解説されているテキストを選ぶことが重要です。
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C言語プログラミング能力検定のおすすめテキスト
プログラミング言語C ANSI規格準拠
C言語はもともと米国国家規格協会(ANSI)という団体がプログラミングの規格をとりまとめています。この資格で問われる文法や書式は、全てANSI規格に則っています。まずはANSI準拠のキーワードで、正しいソースコードの書き方を学ぶべきです。
このテキストは、正しい文法や書式を体系立てて学ぶのに適しています。実際の開発現場では、独自のライブラリ(ソフトウェア会社や個々の開発者がが勝手に作る命令集)を、あたりまえの様に使います。
もともとC言語はそういうものの積み重ねでできているので、当たり前なのですが、あまりにこういった「方言」に慣れてしまった開発者がこの資格を受験する場合には、この知識レベルを標準の者に近づけていく必要があります。
なぜなら、試験ではそんな方言を使った命令は出題されませんので。既に開発者として独自のコミュニティに属してしまっている人などは「ANSIの仕様はここまでなんだ」ということを、改めて知るうえでもこのテキストを学び直すことは有用でしょう。
C言語の基礎-定番言語のプログラミング能力を身につけよう
C言語をはじめて学ぶ開発者または開発者の卵にはお勧めの書籍といえます。
C言語の基礎の基礎から事例にそって解説されています。特に実際のコーディングを意識したサンプルの記載が充実しており、理解しやすい構成となっています。
C言語プログラミング能力検定の3級~2級レベルの出題範囲は十分に網羅していますから、とっかかりの一冊という位置付けとしておすすめです。
独習C
最後にお勧めするのは「独習C」です。多くのソフトウェア企業の本棚や近所の図書館などにも並んでいることの多い、C言語開発者用のテキストとしては定番中の定番です。
独習という名の通り、独学でC言語を学びたい技術者が読み進めやすい構成となっています。従来は文章による解説が中心で、図や補足が少々不足していたイメージがありましたが、最新版ではその辺が見直され、なお読み進めやすい構成が取られたと評判です。
C言語プログラミング能力検定のおすすめ問題集
一方、試験対策の問題集という観点でも、2つほど書籍を紹介します。
C言語プログラミング能力認定試験 過去問題集
まずは「C言語プログラミング能力認定試験過去問題集」です。いわずと知れた、サーティファイの公式問題集です。過去6回分の過去問題が収録されています。基本的にはこの問題集1冊で事足ります。だって公式本ですから。
しかしながら、解説が乏しいという意見も良く聞きます。アルゴリズムの理解などは、ある意味センスの要素も強い部分があります。出版社であるサーティファイも、どこまで解説してよいか判断が難しいのでしょう。
基本的には理解できるまで、自身で良く考える、またはテキストを繰り返し読んで脳内でロジックを組み立てるという対策になってきます。
C言語プログラミング基本例題88+88
とはいえ、やはり公式本だけでは不安。もっと問題をこなしてから受験したいという方には「C言語プログラミング基本例題88+88」をお勧めします。
こちらは過去問題集という形式ではなく、例題を元に解説する形式をとっています。いわばテキストと問題集の中間的な位置づけの書籍です。
まとめ
休日や夜間に自宅で腰を据えて学習する時間が取れるならば、問題を一通り解いて、自己採点をして、間違った問題が腑に落ちるまで自己検証する、という王道がいいと思います。
ところが、それが難しい場合もあります。勉強は主に通勤時間中で、自宅に帰ると子供のあい手をしなければならない、などなど、過去問をじっくり解いている時間はないという場合には、例題を一読して本を開いたまま解説を読み進められる形がよいでしょう。
AIやIoT時代の到来で、C言語のプログラミング能力が再び脚光を浴び始めています。自身の鋤アップのために、是非資格取得を目指してください。