エンベデッドシステムスペシャリスト試験(Embedded Systems Specialist Examination)は、組み込みシステム開発に関する知識・技能を活用した設計・構築・製造を主導的に行う能力を問うものになります。
組み込みシステム開発に従事される方の能力・技能の客観的な証明となりうる国家資格になります。
IT業界に転職する方やフリーランスで仕事を取ってこられる方にもお勧めの資格と思います。エンベデッドシステムスペシャリスト試験は、午前Ⅰ/Ⅱと午後Ⅰ/Ⅱの4部構成となっています。
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エンベデッドシステムスペシャリストの勉強法
午前の勉強法
午前Ⅰの試験は、多肢選択式(四肢択一)で30問出題されます。この出題された30問を50分で解くことになります。100秒で1問を解かなければなりません。
午前Ⅱの試験は、多肢選択式(四肢択一)で30問出題されます。この出題された25問を40分で解くことになります。96秒で1問を解かなければなりません。
従って、午前Ⅰ/Ⅱは、どちらとも1問あたり100秒で解くことが要求されており、時間との勝負になります。100点満点中60点以上が、午前Ⅰ/Ⅱの合格基準になります。
そのために、多肢選択式(四肢択一)を合格するための戦略としては、確実に80点を獲得するように時間配分する方法になります。
午前Ⅰの試験で80点を獲得するには、24問を正解すればよいことになります。24問に125秒の時間の割当てが可能になります。
午前Ⅱの試験で80点を獲得するには、20問を正解すればよいことになります。20問に120秒の時間の割当てが可能になります。
この時間の猶予こそが、精神的な圧迫感を解消して、実力を発揮できるのです。
そのために、午前Ⅰ/Ⅱの勉強法としては、確実に80点をとる戦略で5年間の過去問を5回解くことで合格圏に達します。
午後の勉強法
午後Ⅰの試験は、記述式で3問出題された中から2問を選択して解答します。この出題された2問を90分で解くことになります。45分で1問を解かなければなりません。
午後Ⅱの試験は、記述式で2問出題された中から1問を選択して解答します。この出題された1問を120分で解くことになります。
午後Ⅰ/Ⅱの試験は、記述式の長丁場の試験であり、日頃から手書きになれていないと試験を克服することが難しいのが現実です。
午後Ⅰ/Ⅱの試験は、100点満点で60点以上の得点が必要になります。この試験は、組込みシステムに要求される機能・性能・品質・信頼性・セキュリティなどをハードウェア・ソフトウェアの知識・実践能力を身に付ける必要があります。
そして、何よりも最新の技術動向のウォッチも極めて重要になります。その上で、手書きに慣れておく必要があります。手書きに慣れるためには、メモ・連絡事項などは手書きメモを積極的な導入するなどの対策がよいと思います。
合格率と今後の動向
エンベデッドシステムスペシャリストの合格率は、毎年15パーセント前後を推移しています。受験者は、毎年4000名を超えています。
IoT機器の増加を鑑みると、エンベデッドシステムスペシャリストの市場からの要求は増加するものと予想されます。
つまり、エンベデッドシステムスペシャリストの受験者も増加するばかり、エンベデッドシステムスペシャリストの合格者の絶対数も増加していくものと予想されます。
このような背景から組込み機器関係の業務では、エンベデッドシステムスペシャリストを保持していることが仕事をする上でもよいかと思います。
エンベデッドシステムスペシャリストなどの情報処理技術者試験の合格者は、中小企業診断士・弁理士・Tコーディネータ試験に関して、試験の一部免除制度が申請できます。また、警視庁で募集するコンピュータ犯罪捜査官県警で募集するサイバー犯罪捜査官などの応募資格の一つとなっていたりします。資格のメリットを理解することは、勉強のモチベーションを一層たかめて、何よりもよい勉強の強化になると思います。
テキストの紹介
エンベデッドシステムスペシャリストのテキストは、Amazonでも販売されています。
私がお勧めする磯部俊夫著の「エンベデッドシステムスペシャリスト 「専門知識+午後問題」の重点対策」と東京電機大学編 著の「エンベデッドシステムスペシャリスト 午前 試験問題集 (合格精選500題)」が評価も高いテキストになります。
このエンベデッドシステムスペシャリストの試験に必要な知識がこの一冊に凝縮されています。
お勧めポイントは、組込みソフトウェアに必要な組込みハードウェア関連の知識が記載されているところになります。
これらのテキストの活用がエンベデッドシステムスペシャリスト試験の突破に繋がると思います。
難易度(勉強時間)
エンベデッドシステムスペシャリストの勉強時間は、実務経験などで基礎知識を要している方であれば、一日の勉強時間として3時間が確保できることを想定すると半年程度で合格圏内に達します。
基本的には、通勤時間などで多肢選択式(四肢択一)を勉強したり、知識補充をしたりします。週末は、記述式の勉強をしたりすることで短時間での合格への近道になります。
エンベデッドシステムスペシャリストは、記述式が大きな登竜門になりますので、日常業務でも手書きでメモを取るなども大切な勉強時間として重宝するのもよいかもしれません。
合格基準
- 午前Ⅰ:満点の60%以上
- 午前Ⅱ:満点の60%以上
- 午後Ⅰ:満点の60%以上
- 午後Ⅱ:満点の60%以上
受験者数・合格率
時期 | 応募者数 | 合格率 |
---|---|---|
2017年 | 4,590人 | 17.9% |
2016年 | 4,205人 | 17.2% |
2015年 | 4,627人 | 16.6% |
試験情報
- 資格種別:国家資格
- 資格区分:なし
- 受験資格:なし
- 試験内容:筆記試験(多肢選択式(四肢択一)、記述式)
- 試験日:4月第3日曜日
- 試験場所:全国各地
- 問い合わせ先:独立行政法人 情報処理推進機構 情報処理技術者試験センター