システム監査技術者試験(Systems Auditor Examination)は、高度情報処理技術者試験に含まれ、スキルレベルが最も高いレベルの試験になります。
システム監査技術者試験は、独立した立場で情報システム等に関するリスク等を総合的に点検・評価し、監査結果を報告し改善方策を勧告する業務に従事します。
IoTやIoEをはじめとする高度情報化社会の進展に伴い、情報システムの脆弱性や運用面の不備・不具合等に端を発した大規模な情報システムの障害や情報セキュリティ事故など社会経済・社会活動への影響が甚大になっている現状があります。
このような社会的な背景から、 システム監査技術者への期待は一層、高まってきています。
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モチベーションを高めるポイント
難易度の高い国家資格は、一般に付随するおまけがあります。そのおまけあります。
システム監査技術者試験も難易度の高い国家試験であるために、合格することで幾つかの嬉しいおまけが付いてきます。これは国家試験を短期間に効率的に取得するためのテクニックである科目免除も含まれています。
システム監査技術者試験に合格することにより、
- 弁理士試験の科目免除
- 中小企業診断士試験の科目免除
- 技術陸曹・海曹・空曹及び予備自衛官補の任用資格
- 警視庁特別捜査官の警部補のコンピュータ犯罪捜査官の任用資格
- 日本システム監査人協会の公認システム監査人補の申請資格
これらの恩恵を受けることができます。
監査技術者試験の効果的な勉強法
システム監査技術者試験は、午前と午後にそれぞれ2つの試験があり、合わせて4つの試験を受ける長丁場の国家試験になっています。
午前の1つ目の試験は、30問(四肢択一式、50分)が出題されます。スキルレベル3(レベルは、1から4で4が最も難易度が高い)になります。
この試験問題は、本試験以外の高度情報処理技術者試験と同等になります。午前の2つ目の試験は、25問(四肢択一式、40分)が出題されます。
スキルレベル4で最も難しい試験になります。
午後の1つ目の試験は、情報処理システムの監査及び評価についての課題が3問出題(90分、3問中2問を選択)されいます。
午後の2つ目の試験は、小論文(120分)になります。この小論文のポイントは、業務経験の背景が重要であるために実務経験が必須となります。
午前の試験は、基本的に60パーセント以上の正解率で合格点を取れます。さらに、 四肢択一式であるために過去問を解くことで対応ができます。基本的な勉強法は、過去問のテキストを1回解いてみて、自己の実力を把握します。
その後、自己の実力で60パーセント以上の回答する実力がある場合は、過去問をさらに3回解く作業を繰り返す勉強法を実行します。
もし、60パーセント未満の正答率の場合は、基本的な知識が不足している場合もありますので、自分の専門分野を中心にテキストで知識を補充するために、テキストを3回程度読込みした後に過去問を解く勉強法を実施して下さい。
このテキスト読込み・過去問を解くセットを4回程度、実施することで十分な実力を蓄積することができます。
最大の問題は、午後の試験になります。午後の試験の1つ目は、午前の試験と同等のアプローチで対応できます。
しかしながら、午後の試験の2つ目の小論文は、十分な対策が必要になります。日頃パソコンを使用して文字を書く習慣があるために、120分間に渡り文字を書くことは大変な作業になります。
また、パソコンを使用して文字を書く習慣で漢字を書く能力が低下している場合もあります。
そのために、小論文の試験対策は、関連分野の書籍を読んで知識を獲得することも重要ですが、日頃から文字を書く習慣を作ることからはじめる必要があります。故に、試験の準備期間が長くなりがちです。
小論文は、特有の文章構成の技法があります。これを限られた時間・限られた文字数で論述するには、この文章の型を勉強する必要があります。
そのために最も良い方法は、優れた小論文の事例を書き写す写論のトレーニングが最適にです。この写論により論文の型の習得・漢字の習得・文字を書く速度の向上などにより合格圏内を現実的に目指すことができます。
日本システム監査人協会の公認システム監査人補の申請資格は、実際の業務に従事する際にも有益なおまけになると考えられます。 システム監査技術者試験に合格した暁には、忘れずに申請しましょう。
テキストの紹介
情報処理教科書 システム監査技術者
システム監査の基本知識を取得するのにお勧めのテキストです。
システム監査技術者「専門知識+午後問題」の重点対策
丁寧に解説されていて分かりやすいです。
徹底解説 システム監査技術者 本試験問題
難易度(勉強時間)
システム監査技術者試験の難易度は、情報処理推進機構の統計資料によれば、初期の情報処理システム監査技術者の試験の時代の合格率が6.6パーセントでした。
続いて、平成6年度から平成12年度の試験の合格率が6.5パーセント、平成13年度から平成20年度の合格率が8.2パーセントになっています。昨年の平成28年度の実績の合格率は、14.3パーセントになっています。
年々合格率が高くなっています。それでも10パーセント程度の合格率であり難易度が高い試験になっています。
初心者が合格を勝ち取る時間
システム監査技術者試験の難易度は、難易度が高い試験であるために多くの勉強が必要になります必要な勉強時間は、これまでの説明した勉強法を使って、午前の試験は、勉強時間は、各人の
バックグランドによりますが、1日2時間の勉強時間を確保した場合に、2ヶ月から3ヶ月程度で計画されると合格圏内を目指せると考えられます。
午後の試験は、1日2時間の勉強時間を確保した場合に、3ヶ月程度で計画されると合格圏内を目指せると考えられます。
もし、合格できなかった場合で科目合格されている場合は、科目免除制度を有効活用して合格を目指すことができます。
合格基準
- 午前Ⅰ:満点の60%以上
- 午後Ⅰ:満点の60%以上
- 午後Ⅱ:ランクA
受験者数・合格率
時期 | 受験者数 | 合格率 |
---|---|---|
2017年 | 2,862人 | 15.1% |
2016年 | 2,524人 | 14.3% |
2015年 | 2,740人 | 14.2% |
2014年 | 2,733人 | 13.2% |
2013年 | 3,053人 | 14.1% |
試験情報
- 資格種別:国家資格
- 資格区分:なし
- 受験資格:なし
- 試験内容:午前:四肢択一(50問)、午後Ⅰ:記述式(4問中3問)、午後Ⅱ:論述式(3問中1問)
- 試験日:4月第3日曜日
- 試験場所:全国各地
- 問い合わせ先:独立行政法人 情報処理推進機構 情報処理技術者試験センター