簿記と会計学は何が違うのであろうか。勉強を始める前にまずはそのことを明確にしておく必要があります。
違いはさまざまありますが、決定的な違いは「簿記では問題の解が一つに定まるが、会計学ではその状況に合わせた多面的な要素を考慮する必要があるので問題の解は必ずしも一つに定まるとは限らない。」というところにあります。
つまり、受験数学の要領でいけば、簿記3級は努力すれば誰でも手にすることができるのです。
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簿記能力検定3級の勉強法
では勉強方法の説明に移ろう。まずすべきことは、「簿記の全体像の把握」である。ジグソーパズルを思い浮かべて下さい。
完成図を先に見ていれば、手に取ったピースがどこの要素であるのかのおおよその見当をつけることができるでしょう。さらには、個々のピースどうしの関連性も見えやすくなるので、作業効率を格段に上昇させることも期待することができます。
したがって、まずは網羅性の高い簿記3級参考書を、完璧かどうかに関わらず一度通読することが肝心なのです。
多少理解に困難をきたすところが出てこようが、飛ばして読み進める方がよいです。全体像の把握ができたら、次すべきことは「なるべく早く基本知識をインプットする」ということです。
心理学的には忘曲線の話がよく出ますが、ここでは情報記憶について触れておきます。
ここで重要なのが、「記憶する情報を自ら選別すること」と「記憶したい情報にはラベルを貼って脳にしまい込むこと」の2点です。
人の脳というものは、注意をしなければ(あるいはそうしても)不要な情報をどんどん取り入れてしまいます。どれだけ多くの情報を知っていても必要な時にすぐに取り出すことができなければ、それは知らないのと同様に役には立ちません。
また、脳はモチベーションが高いときに、より記憶しやすくなるよ言われています。しっかりラベルを貼ってまめに手入れをしておかないと、他の記憶と混同し埋没してしまい、思い出せたとしても、それは記憶した情報とは違っているかもしれません。
最後にすべきは、「ひたすらインプットとアウトプットを繰り返すこと」です。まずは過去問を1回分解いてみて自分の理解度や実力を測るのも良いでしょう。
その結果から自分の苦手分野や弱点を分析し、インプットしなおして、またアウトプットしていく。
この繰り返しです。仕入れた情報を定着させるにはラベルを貼るだけでなく、こまめな手入れが必要です。
その情報で遊び、操り、またはその情報を自分や他人に説明することで定着しやすくなる。具体的には、問題を解きまくるだけでなく、エア授業を自分でしてみることがおススメです。
長く続いている検定試験なのだから、必ず出題傾向があるはずです。過去問からそれらを分析して、その問題形式に慣れることもまたポイントです。
簿記能力検定のテキスト紹介
合格率
- 上級:約20%
- 1級(会計):約40%
- 1級(工業簿記):約60%
- 2級:約60%
- 3級:約70%
- 4級:約70%
勉強時間(難易度)
日商簿記と同等レベルの試験難易度になります。
3級であれば、毎日2~3時間の勉強時間を確保できれば、1ヵ月もあれば合格できるレベルに達することができるでしょう。
合格基準
各級とも1科目100点満点とし、全科目得点70点以上
(上級のみ各科目の得点が40点以上で全4科目の合計得点が280点以上)
試験情報
- 資格種別:公的資格
- 資格区分:上級、1級(会計・工業簿記)、2級、3級、4級
- 受験資格:なし
- 試験内容:筆記試験
- 試験日:2月(全級)、7月(全級)、11月(上級以外)
- 試験場所:全国各地
- 問い合わせ先:公益社団法人 全国経理教育協会