勉強のやり方としては単純でまず最初に問題集を決めます。
環境計量士には環境計量に関する基礎知識、化学分析概論及び濃度の計量、計量関係法規、計量管理概論の4科目があり、法規と管理は6割、基礎知識と分析概論は5割を目指しました。
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環境計量士(濃度関係)の勉強法
環境計量士(濃度関係)は合格率が15%程度である程度難しい試験とされていますが、一部の問題を除いて「難しい」というよりは1問1問はそれほど難しくはないものの範囲が広いので「面倒」という感じです。
そのような性質がある試験ですので、テキストで一通りの内容をインプットしてから問題集を解くというやり方よりはいきなり問題集に入ってしまったほうが効率的です。
むしろ『環境計量士への近道』などは試験に出ない記述も多くテキストを読んでから問題を解こうとするのは単なる遠回りとなります。
目安として最低5年分、できれば10年分の過去問が8割方解けるようになっていれば合格の可能性は高いと思います。
わたしが使用した本は環境計量に関する基礎知識は『環境計量に関する基礎知識(環境化学)』化学分析概論及び濃度の計量は『環境計量士(濃度関係)新化学分析概論及び濃度の計量解説と対策』法規と管理は『環境計量士への近道 演習編〈5〉』を使いました。
ただし使用したのは法規と管理部分だけであり、環境化学及び環境濃度の部分については使用していません。
基礎知識と分析概論はざっくりとした解説がないと問題への取っ掛かりがあまりなくやりづらい部分がありますが、上に挙げた2冊では適度に解説があり、すぐに過去問に入れるのでとても良い本です。
法規・管理は解説を読んでも身につくものでもないのでいきなり『環境計量士への近道 演習編〈5〉』を繰り返し解いていくのが効率的です。
ここまでやれば十分に基礎力がついていると思いますので過去問の中でも上記の問題集で載っていない最近の部分をコロナ社の『一般計量士・環境計量士国家試験問題解答と解説』や日本環境測定分析協会の『環境計量士国家試験問題の正解と解説』で補えば万全です。
この2冊を最近の過去問題集として合格点を取れるかどうかを確認するために使用します。
年によって傾向はある程度変わりますが環境計量士の問題は基礎ができていれば合格できる構成にはなっていますのでもし最近の過去問で合格点が取れなければ問題集での勉強に穴がある可能性が高いので苦手分野を重点的に潰すべきです。
1周目で解けた問題にはチェックをしておき、2周目には最初に解けなかった問題だけをこなしていくと効率的です。
もし計量管理で統計学が難しいと感じた場合は『統計学が最強の学問である』『統計学が最強の学問である 実践編』を読んでおくと統計学の基礎が学べてモチベーションが高まります。
統計学は公式を覚えておくというのも意味がありますが重要なのは数式が表現している内容を読み取れることであり、それができる感覚です。
計量法はなぜこのような条文になっているか、という論理が分かりにくいため暗記物が得意な人には簡単な科目かも知れませんが理屈を得意とする人にはかえってとっつきにくい科目です。
計量法が苦手と感じたら『計量法の読み方 – 計量計測データバンク』というインターネットで公開されているPDFを読み込んでおくと計量法の意義と内容が分かりやすいのでおすすめです。
環境計量士のテキスト紹介
勉強法で登場したテキストの他にも沢山のテキストがあるので、自分に合ったテキストを選択して下さい。
受験者数・合格率
濃度
年度 | 受験者数 | 合格率 |
---|---|---|
2018年 | 2,118人 | 18.5% |
2017年 | 2,910人 | 15.2% |
2016年 | 3,239人 | 15.3% |
2015年 | 3,533人 | 15.1% |
2014年 | 3,744人 | 12.7% |
2013年 | 3,991人 | 15.9% |
騒音・振動
年度 | 受験者数 | 合格率 |
---|---|---|
2018年 | 647人 | 17.5% |
2017年 | 888人 | 18.1% |
2016年 | 883人 | 16.1% |
2015年 | 896人 | 16.5% |
2014年 | 989人 | 17.4% |
2013年 | 1,112人 | 18.9% |
一般
年度 | 受験者数 | 合格率 |
---|---|---|
2018年 | 689人 | 23.4% |
2017年 | 990人 | 20.7% |
2016年 | 1,043人 | 15.6% |
2015年 | 1,061人 | 17.0% |
2014年 | 1,234人 | 17.0% |
2013年 | 1,179人 | 18.6% |
勉強時間(難易度)
問題集の問題数をすべて足し合わせると1500問程度はみておかなければいけません。2周すると3000問程度となるという計算になります。
準備期間が1年半で500日程度ですので、1日6問勉強すれば優しい問題は1回でクリアーとし、比較的難しい問題は2-3周して実力を高め、試験に臨むことができます。
ですので1日の勉強時間は10-20分程度であり、これを1年半コンスタントに続けていければ環境計量士の合格はそれほど難しくはありません。
Excelで進捗をきちんと管理しておき、1日6問のペースを守れているかどうかをチェックしながら進めていくことに力を入れましょう。
試験内容
環境計量士(濃度関係)
- 環境計量に関する基礎知識
- 化学分析論及び濃度の計量
- 計量関係法規
- 計量管理概論
環境計量士(騒音・振動関係)
- 環境計量に関する基礎知識
- 音響・振動概論並びに温圧レベル及び振動加速度レベルの計量
- 計量関係法規
- 計量管理概論
一般計量士
- 計量に関する基礎知識
- 計量器概論及び質量の計量
- 計量関係法規
- 計量管理概論
合格基準
専門2科目の合計
- 環境計量士(濃度関係):92点以上(23/50問)
- 環境計量士(騒音・振動関係):92点以上(23/50問)
- 一般計量士:116点以上(29/50問)
共通2科目の合計
- 全試験区分とも、120点以上(30/50問)
試験情報
- 資格種別:国家資格
- 資格区分:濃度、騒音・振動、一般
- 受験資格:なし
- 試験日:3月上旬
- 試験場所:札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、那覇
- 問い合わせ先:経済産業省 産業技術環境局