日本茶インストラクター試験は20歳以上であれば誰でも受験可能ですが、NPO法人日本茶インストラクター協会が実施している「日本茶インストラクター通信講座」を受講してから試験にチャレンジするのが一般的にとなっています。
ですので、ここでは通信講座を受講すると仮定した勉強法を記載していきます。
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日本茶インストラクターの勉強法
テキストは三冊あります。まずぱらぱらと通読します。
一冊目には歴史、栽培、製造、二冊目には化学、淹れ方、健康科学、利用法、三冊目には茶業について、品質審査と鑑定、インストラクション技術と続きます。
自分がどこに興味を持っていてどこに興味を持ちにくいかをまずは分析しながらざっと目を通したら、興味を持ちやすい場所なら一回、興味を持ちにくい場所は二倍か三倍の割合程度でアンダーラインを引きながら読んでいきます。
興味を持ちにくいところこそ一次試験の際にはウィークポイントになるからです。
次に、効率的に全体像をつかむために教材セットの中にある「学習のポイントⅠ」「学習のポイントⅡ」「学習のポイントⅢ」を活用するほうが全体として時間をかなり短縮できます。
これらはテキストに比べてどれも大変薄くて持ち運びやすいため、どこへもっていくにも楽です。鞄にいれてスキマ時間に、朝動き出す前に、夜少し時間が空いた時に。
いつでもどこでもできることなのでとにかく肌身離さず持って、とにかく目を通し続けます。細かく見ていくだけでなくたまに全体をざっと通して眺めてみるのも非常に効果的です。
なにしろこれらは薄くこれらを一冊にまとめてしまってもせいぜい6ミリ程度にしかなりませんから持ち運ぶためにあるといっていいくらいです。
全体像のポイント部分をこれで頭にしつこく入れていくことができます。この作業には学習への慣れを誘う効果もあります。どの資格試験にも共通して言えることですが、まず試験に使われる字面になれることが、撮ろうとしている資格に存在する大きな文脈をつかむために絶対に必須だからです。
ここまできたら「学習のポイント」とテキストの併用利用の段階に進みます。慣れてきていますからテキストを読み返しても頭に入りやすくなっているはずです。
家にいられるときにはテキストに当たって、家の外にいるときには「学習のポイント」に当たっていくなどすれば、全体をまんべんなく網羅することができます。
途中3回リポートの提出が義務付けられています。一冊のテキストにつき一つのレポートという構造です。ここでまた自分の抜けている知識を補完することができる仕組みになっています。
非常に細かく添削されて戻ってくるこの3つのリポートこそ、合格への切り札といえます。赤字でびっしりと書かれて戻ってきます。学習の際に抜けているであろう所を直接指摘されるわけですから自分用にカスタマイズされた参考書といってもいいでしょう。
これを何度となく見返しながらまたテキストと「学習のポイント」に当たっていけば、まず間違いなく一次試験は合格ラインに達します。
実際にそれに達しているかどうかを知るために「日本茶インストラクター通信講座練習問題集」で確認作業ができます。ここで実際の試験問題に慣れつつ自分の穴を埋める作業をすることができます。
試験直前には必ず添削されて戻ってきたリポート3つと練習問題集に複数回目を通してからテキストを流し読みすることが必要です。少しでも難しいと感じる部分の全くないところまでまんべんなく達成度を上げないと一次試験は通過できません。
一次試験後二次試験は実技です。DVDと実際に自宅で実習できるお茶の簡単なセットがありますのでそちらを使用し対策を練ることになります。
自宅での自習が不安な場合には近くにもしマナー教室があればそこでマナーの基本の復習をすると効果的です。品位を身に着けることが二次試験突破の鍵を握ります。
テキストの紹介
通信講座を受講する場合は、講座でセットになっているテキストのみで対応できます。
独学で受講する場合は、「日本茶のすべてがわかる本―日本茶検定公式テキスト
難易度(勉強時間)
集中してやれば一冊のテキストにつき一か月程度で、内容についての履修は可能だと思います。三冊ありますので実質的な時間としては三か月の集中は最低限必要ではないかと思われます。
社会人で取得する場合には本業がありますので、実際には半年程度あればおおむね頭に入ると思います。ただ、細かい用語に手間取るであるとか、多岐にわたる茶業についての概略そのものをつかむことが難しいであるなどが人により発生する場合もあると思います。
その場合には実際に茶摘みの体験学習を個人的にしてみることがおそらく早道です。茶とはどういうものなのかの根本を体験から学んだうえでテキストにとりかかると単なる字面からでは推し量れない実感が生まれますから全体的に頭に入りやすくなります。
茶業に実際に取り組まれている方にはそうしたハンデはありません。しかし特にそういうわけでもない普通の人には「お茶という木そのものに触れる機会の有無」が合格へのファストパスであるような気がしています。
受験者数・合格率
実施時期 | 受験者数 | 合格率 |
---|---|---|
2015年 | 512人 | 34% |
2014年 | 527人 | 38% |
試験情報
- 資格種別:民間資格
- 資格区分:なし
- 受験資格:20歳以上
- 試験内容:1次試験の筆記試験合格後、2次試験の実技試験(茶鑑定とインストラクション)
- 試験日:11月(1次試験)、翌年2月(2次試験)
- 試験場所:札幌・東京・静岡・名古屋・京都・福岡・鹿児島
- 問い合わせ先:NPO法人 日本茶インストラクター協会