法律のプロとして数千種類の書類を扱うことができる国家資格・行政書士。独立や開業が可能な職業ため、転職を有利に進められる資格のひとつとして人気を集めています。
しかし、行政書士になるための試験はとても難しく、その合格率は1割にも満たないと言われています。さらに、仕事や付き合いで忙しい社会人にとって勉強時間の確保も難しいところ。
「仕事をしながら資格を取りたい!」「勉強したいけれど、どうやって始めたらいいの?」と悩む方にオススメなのが、「通信講座」を利用する勉強法です。
通信講座を利用するメリット
- 自分の時間を有効利用しながら勉強できる
- 質の高いテキストや教材で効率的に合格を目指せる
- 費用を安く抑えられる
1番のメリットは「時間を有効利用しながら勉強できる」という点。特に仕事をしながら資格取得を目指す社会人にとって、試験までの勉強時間の確保が大きな課題となります。
通信講座の場合、テキストを持っていれば空き時間に勉強できるため、自分のペースで勉強することが可能です。
また、使用するテキストの質が高いのもメリットのひとつ。各通信講座で使用しているテキストは、過去の試験で出題された問題から傾向をつかめる内容となっています。
質の高いテキストで勉強を続けることは、効率的な学習にもつながるでしょう。過去問を解いて出題形式や設問に慣れることで、実際の試験を想定しながら試験勉強を続けられます。
また、通信講座は予備校に通学するよりも安い費用で勉強できるのもポイント。なにかと出費が多い社会人にとって、資格取得にかかる費用を抑えられるのは嬉しいですよね。
通信講座の比較
ここでは、行政書士の試験勉強ができる「たのまなの行政書士【安心合格】講座」「ユーキャンの行政書士講座」「クレアールの行政書士講座」「フォーサイトの行政書士通信講座」の4つを比較。
受講費用・学習期間・質問回数・添削回数の4つを比べた結果をまとめました。
2020年1月16月現在の情報
受講費用(税込)
たのまな | 221,500円 |
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ユーキャン | 63,000円 |
クレアール | 45,630円(期間限定割引を適用) ※2020年合格目標カリキュラム(カレッジコース1月生)の場合 |
フォーサイト | 70,180円(スペシャルクーポン3,000円引きを利用) ※バリューセット1 2020年試験対策(基礎+過去問講座)の場合 |
受講費用が1番安いのはクレアールになりますが、こちらは期間限定価格になりますので注意が必要です。ちなみに通常価格は169,000円となっています。
クレアールとフォーサイトでは様々なコースがありますので、受講料を抑えたいのであれば他のコースも考えてみて下さい。
どの通信講座も分割払いが可能ですので経済的にも安心です。
学習期間
たのまな | 1年間 |
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ユーキャン | 6ヵ月 |
クレアール | – |
フォーサイト | 年度内の本試験前日まで |
たのまなは1年間の学習期間が設けられているため、試験当日に向けてサポートを受けながら着実にスキルアップを目指せます。
学習期間が終了する1ヵ月前に連絡すれば、無料でもう1年延長することも可能。万が一試験を受けられなかった場合も再度勉強に取り組めます。
受講費用が安い反面、学習期間が短いのがユーキャンのデメリット。
行政書士試験に合格するために必要な時間は多くて1000時間程度だと言われています。勉強時間の確保が難しい社会人にとって、学習期間が短いのはマイナス点かもしれません。
フォーサイトは、年度内の本試験前日まで学習期間が設けられています。翌年の試験に向けて勉強するコースも用意されていますが、年度内の試験に合格した場合のキャンセルは受け付けていないのでご注意を。
質問回数
たのまな | 制限なし |
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ユーキャン | 基本的に回数制限なし(ただし1日あたりの質問回数に制限ありを設ける場合あり) |
クレアール | 制限なし |
フォーサイト | コースにより上限が異なる |
普段は自分のペースで勉強を進める通信講座ですが、時に自分では理解しづらい問題もありますよね。そんなとき、気軽に質問できる講師やスタッフがいると心強いもの。
質問回数に上限回数が設けられている通信講座があるなか、たのまなとクレアールは制限を気にせず何度でも質問できます。
フォーサイトでは、コースによって質問回数が決められており、規定回数を超えると1件税込500円の回答料がかかります。今回紹介をしているバリューセット1 2020年試験対策では10回となっています。
受講者の年間平均質問数は約3回ということですのでこの回数であれば基本的には問題ないでしょう。
とは言えわからない所や疑問点は、そのままにせずすぐに質問をし、解決したいもの。質問回数に制限があると、気軽に質問ができないところは難点ですね。
添削回数
たのまな | 複数回 |
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ユーキャン | 8回(総合実力診断テスト1回を含む) |
クレアール | 不明 |
フォーサイト | 不明 |
講師の添削によって自分の弱点を把握できるため、添削回数は多いほうが良いと言えるでしょう。たのまなは複数回という明記はあったものの具体的な回数がなかったので、気になる方は申し込む前に確認すると良いでしょう。
ユーキャンは提出した課題を添削してもらうサービスがあり、講師から7回アドバイスをもらえます。フォーサイトは不明です。
フォーサイトは受講経験者のブログを見ると添削を提出したという内容が書かれていますので添削は行っているようですが、回数などについては不明です。
こちらも気になる方は直接問い合わせをしてみてください。
各講座の紹介
たのまな
- 行政書士【安心合格】講座:221,500円
「60%取れれば合格できる」というコンセプトのもと、合格に必要な得点が取れるカリキュラムが組まれている講座です。
短期間で効率的に知識を学べる質の高いテキストと、WEBで視聴できる講義が特徴。ただテキストを解くだけではなく、回数無制限の質問サポートで疑問点を無くして実力を積み重ねられます。
1年間のサポートが終了する1ヵ月前に連絡をすれば、さらにもう1年無料サポートを延長できるのも嬉しいポイントですね。
教材
- 科目別3WAYテキスト
- 記述マスターテキスト
- 行政法・民法特訓講義テキスト
- 総まとめコンプリーションテキスト
- 解法マスター講義テキスト
- 基本確認択一式模試問題・解答解説
- 科目別パーフェクト答案問題・解答解説
- 公開模擬試験問題・解答解説
たのまなの教材は、種類豊富なテキスト・模擬試験問題と充実した内容。過去問・判例と条文を1冊にしたテキストで、初心者もある程度知識を持つ人も利用できるようまとめられています。
回答次第で合否が決まると言われている記述式問題の対策もばっちり。試験に必要な基礎・応用スキルを網羅できるでしょう。
- 受講料が高かったので悩みましたが、映像講義が自分には一番しっくりきたので決めました。試験まで期間があったので、しっかりと勉強をして知識をつけられるところも気に入りました。わからないところを何度も質問できる点も、好ポイントです。自分は受講中5~6回活用させてもらいました。わからないところをそのままにすることなく勉強を進められたので、合格へつながったのだと思います。
サイト先
ユーキャン
- 行政書士講座:63,000円
68名の講師による親身なサポートを受けながら合格を目指す講座です。テキストのほか、パソコンやスマートフォンで利用できる講義動画・webテストが用意されています。
テキストで勉強した内容の復習ができるwebテストは、数百もの練習問題を解けるだけでなく、間違えた問題のみを選んで再度回答することが可能。通勤・通学中のスキマ時間を利用して勉強できます。
教材
- メインテキスト全9冊(入門2冊、応用7冊)
- ガイドブック
- 過去問題集 4冊
- その他(添削質問関係書類・スケジュール表等)
ユーキャンの教材は、実際の試験問題を余すところなく分析してわかりやすくまとめたもの。知識ゼロの初心者から応用へステップアップできる2段階学習で合格を狙えます。
別売りのオプションで10年分の過去問題集や六法学習ガイドをつけても◎。初心者からも理解しやすいと評判だそうですよ。
- 本当は通学をしたかったのだが、受講料を捻出できず、費用が安いユーキャンに決めた。テキストはイラストなどもあり、メモができるスペースなども取ってあり好感がもてた。添削指導はわかりやすく、励ましのメッセージなども書いてくれるのでこちらも好感がもてた。またスマホから講義を閲覧できるのも、学習を進める上でとても役に立った。
サイト先
クレアール
- 2020年合格目標カレッジコース(学習初心者向け)
- 2020・2021年合格目標カレッジコース(学習初心者向け)
- 2020年合格目標中級コース
- 2020・2021年合格目標 中級2年セーフティコース
- 2020年合格目標 上級コース
- 2020年合格目標 答練マスターコース
大きく分けると学習初心者(初級)・学習経験者(中級)・試験受験者(上級)の3つのコースに分かれています。
クレアールでは短期合格を目指したカリキュラムが組まれているのが大きな特徴になります。
行政書士試験では未経験から合格を目指す場合、基本的に1年以上の勉強期間が必要になりますが、クレアールでは合格するための学習に特化しているので、半年以内の勉強期間で合格する受験者が数多くいます。
教材
- マルチパステキスト7冊
- 論点別過去問題集3冊
- 民法特訓講義テキスト1冊
- 行政法特訓講義テキスト1冊
- 基本確認択一式模試 問題・解説1回
- 解法マスター講義テキスト1冊
- 記述マスターテキスト1冊
- 科目別パーフェクト答練 問題・解説10回
- 解きまくり総合答練 問題・解説2回
- 総まとめコンプリーションテキスト1冊
- 公開模試 問題・解説1回
※2020年合格目標カレッジコースの場合
- スマホを使って通学中に学習しました。WEB講義は非常に分かりやすかったです。
公式サイト先
フォーサイト
- バリューセット1 2020年試験対策(基礎+過去問講座)
- バリューセット2 2020年試験対策(基礎+過去問+直前対策講座)
- バリューセット3 2020年試験対策(基礎+過去問+直前対策+答練)
試験を受ける年度に合わせて対策講座が用意されているフォーサイト。
また、「基礎講座」「過去問講座」「直前対策講座」「答練講座」はそれぞれ単体で受講することも可能です。
これから初めて行政書士の勉強する方でとりあえず基礎のみを習得したい方は「基礎講座」のみ、知識が豊富にある方で最終的なチェックをしたい方は「直前対策講座」など自分の目的に合った講座を自由に選択することが可能なのがフォーサイトの大きなメリットです。
直前対策講座は、試験直前の約1ヵ月前から取りかかれる記述問題や一般知識などを分野別に対策するものです。
教材
- 受講ガイド
- 戦略立案編&メディア
- 合格必勝編&メディア
- 基礎講座テキスト 10冊
- 過去問題集9冊
- 過去解説メディア(DVD12枚)
- 再現問題
- 模擬試験2回分
- 演習ノート
- 講義DVD 28枚
- 合格カード
- 法改正情報
- 入門講座テキスト&メディア
- eラーニング 道場破リ®
- 確認テスト(道場破り®内)
- 行政書士マンガ
- 合格体験記
教材は、テキストやDVDのメディアに加えてPC・スマホ・タブレットを活用した「eラーニング 道場破リ®」と多数。
フォーサイトで勉強して合格を掴みとった方の合格体験記や、試験勉強のサポートブックなどもついてきます。
- まず費用が安かったのが良かったです。テキストはフルカラーでイラストや図解が多いのでわかりやすく、記憶にも残りやすかったと感じています。
- スマホで講座を見ることができたので、会社の行き帰りに見て勉強をしていました。確認テストがゲーム形式でできるのも楽しくて良かったです。
サイト先
どの講座がいいの?
- 知識を深めて合格したい!質を求めるなら「たのまな」
- 費用を抑えたい!価格で選ぶなら「フォーサイト」と「クレアール」
- 短期間で合格を目指すなら「クレアール」
- 添削回数重視!サポート重視なら「ユーキャン」
オススメは教材の質が高い「たのまな」
費用はお高めですが、基礎・応用を網羅できる内容は他の通信講座と比較しても良質だと言えるでしょう。費用を抑えて試験に臨むならフォーサイトやキャンペーンのお得度が高いクレアール、プロのサポートを得ながら学びたい方はユーキャン、と求めるニーズで選んでもいいかもしれません。
自分にはどの通信講座が必要なのかを知るために、まずは資料請求をしてみてはいかがでしょうか?
独学勉強法
通信講座で勉強するとはいえ、行政書士の試験は他の資格と比べて難易度が高いもの。
何も知らない状態よりも、ある程度の知識を得てから通信講座を始めるほうが身につくスピードも早くなり、効率的に勉強できるでしょう。
以下のページではオススメの独学勉強法をご紹介。通信講座を始める前にぜひトライしてみては?
参考記事 行政書士の独学勉強法